この記事は海外旅行中にパスポートやクレジットカードを紛失してしまった時にどのように行動して、日本に帰国するのかを私の実体験を元に説明します。
それは2018年11月の出来事です。
私は娘と二人で金土日の二泊三日で台湾旅行をしました。
定刻通り12時半に台湾松山空港に到着して両替を娘に任せて到着ゲートを出ました。
いつものように近くのベンチに座り、Wi-Fi接続やスーツケースのちょっとした整理などをし始めました。
その後、タクシーでミラマガーデン台北に向かい、いざチェックインしようとしたときにようやく気付いたのです。
ショルダーバッグに入れてあるはずのパスポートケースがないことに。
私はパスポート、クレジットカード全3枚を入れたパスポートケースを失くしてしまったのです。
私のように台湾旅行中にパスポートを失くさないように、また万が一失くしてしまった方のために、私がどのように手続きをして日本に予定通り帰国したのかをお話ししたいと思います。
私の場合は二泊三日で帰国しなければいけなかったので「帰国のための渡航書」という1度だけ日本に帰国できる証明書を発行するための手続きとなります。
1~2週間くらいの余裕がある方はパスポートの再発行が可能です。
パスポートを紛失したらどうなるのか?
当然、パスポートは旅行者にとって自分を証明する大切なものです。
そのパスポートを失くしたらどうなるのか。
- 自分が日本人であることを証明できません。
- 悪用される恐れがあります。
- 日本に帰国できません。
上記の事がすぐに思いつくと思いますが、一番重要なのはやはり③の日本に帰国できないことです。
また、精神的にかなり落ち込みます。
もう旅行どころではありません。
私の場合は、台湾に着いてすぐでしたので本当にきつかったです。
パスポート紛失後とるべき行動
パスポートを紛失したと分かったとき、ほとんどの人がパニックになると思います。
実際、私もホテルのロビーでうろたえ、焦り、後悔でもう呆然としてしまいました。
一緒にいた娘が割と冷静でしたので私も徐々に落ち着いてきて次に取るべき行動を考え始めました。
まずは頭の中を整理します。
- 再度本当に紛失したのか荷物を確認します。
- 最後にパスポートを見たのはいつでどこだったか?
- 現地点までのルートで紛失の可能性のある場所は?
その結果、考えられる紛失場所は両替後から到着ゲートを出るまでと、荷物整理していたベンチ付近、タクシーの車内、この3か所でした。
ホテルスタッフへの協力要請
私の場合はホテルで紛失が発覚したので、日本語がわかるスタッフの方にお願いしてまずは空港とタクシー会社への連絡をしてもらいました。
ホテルの方から、「日本台湾交流協会」へ連絡するように言われましたが平日のみで土日は開業していませんでした。
ちなみに日本と台湾は正式な国交がないため、大使館や領事館ではなくそれに相当する仕事をしているのが日本台湾交流協会となります。
ただ、ありがたいことにミラマガーデン台北はパスポート、クレジットカードがなくても特別措置でチェックインをして頂きました。
しばらくして、空港にもタクシー車内にも私のパスポートは届けられていませんでした。
その後、ホテルのスタッフの方には大変お世話になりました。
紛失現場へ戻って確認
ホテルスタッフの方に連絡してもらって空港には私のパスポートは戻っていなかったと聞いたのですが、自分の目で確かめたくて再度空港に戻ることにしました。
この時点で私達の所持金は両替時に娘に分け与えた2万円だけでした。
空港に戻り、到着ゲートに行き自分の足取りをなぞってみました。
私の予想では荷物整理をしていたベンチ付近で落とした可能性が一番高いと思っていたので期待を込めてその場所まで行って探したのですがありませんでした。
空港に戻って私がやったこと
空港内の紛失場所を探して見つからなかった私達が次にした行動です。
ここからは台湾の各部署の方達の親切さにかなり助けられました。
空港受付スタッフに申し出る
ホテルから連絡をしてもらっていましたが、改めてことの顛末を申し出ました。
さすがに空港スタッフさんです。
女性のスタッフさんは日本語が堪能で、私の話を聞いてすぐに空港警察に連絡をしてくれました。
その後は若手の警察官と私の娘が簡単な英語でやりとりをしながら話を進めました。
警察に届け出る
ベテランと若手の二人の警察官が来て、話を聞いてくれました。
そして紛失現場付近を再度確認、また防犯カメラも見てもらいました。
しかし、防犯カメラには私のパスポートケースは写っていなかったようです。
という事は、両替所付近から到着ゲートを出る間か出てすぐに紛失したのかもしれません。
そのあたりの記憶がなくて、もしかしたらジーパンの後ろポケットに入れていたのかもしれません。
その時のジーパンのポケットはとても底が浅くて何度か財布を落としそうになったことがありました。
移民署で紛失証明書を発行
警察に届け出をしてから、空港内にある移民署で紛失証明書の申請をしました。
この紛失証明書は「帰国のための渡航書」発行に必要な書類です。
ここでも担当の中年男性の方に本当に親身になっていただきました。
この方も日本語がとても堪能でしたので助かりました。
申請用紙もほとんどの個所を記入してくれました。
まずは顔写真を2枚用意してくれと言われ空港内で証明写真機があるのですぐに撮りに行きました。
所持金が2万円でしたので結構、お金が気になりましたが500円くらいでした。
顔写真を渡している間に警察の方が呼びに来て防犯カメラの内容説明を受ける事になり、また通訳の為に空港スタッフの女性の元に戻りました。
しばらくして、移民署の方が紛失証明書をわざわざ持ってきてくれました。
ホテルからあきらめずに松山空港に戻ったことで、何かすべてが良い方向に回転し始めた気がしました。
空港内で、警察への届け出、紛失証明書発行と、しなければいけなかったことが一気に済みました。
尚、紛失証明書が発行された時点で、たとえ紛失していたパスポートが見つかっても効力は失効しています。
ホテル、空港、警察、移民署と香港の各部署の皆さんのやさしさに感謝です。
住民票(本籍地記載)をFAXしてもらう
次にやることは住民票の取り寄せです。
これは本籍地が記載されているものでなくてはいけません。
私は空港に戻る前にホテルで奥さんに電話して依頼をしておきました。
FAXの送り先はホテルにしてもらい届いたら連絡してくれるようスタッフの方にお願いしました。
奥さんは迅速に行動してくれて翌日は日曜日でしたが駅内の臨時出張所で取り寄せてくれてすぐにホテルにFAXをしてくれました。
これで、「帰国のための渡航書」を発行するために用意する書類は全てそろいました。
まとめておくと下記のものが必要です。
- 紛失証明書(空港内移民署で発行、顔写真2枚必要)
- 住民票(本籍地記載)のコピー
- 顔写真2枚(移民署で使った残りで対応)
- 身分証明書(免許証、パスポートコピー)
日本台湾交流協会で「帰国のための渡航書」を発給
日本台湾交流協会の窓口で「紛失一般旅券等届出書」の提出をしてパスポートの紛失届を行います。
同時に「渡航書発給申請書」を記入して「帰国のための渡航書」の発給を申請します。
手続き自体は1時間くらいで終わります。
私の場合は、宿泊ホテルが忠孝復興駅で日本台湾交流協会の最寄り駅が南京復興駅で一駅の近さでした。
ただ、少しでも早く行きたかったのでタクシーで向かい、受付時間の9時前には到着していました。
それでも、既に日本人らしき方が3組ほどいました。
日本台湾交流協会の情報です。
所在地 : 台北市慶城街28号通泰商業ビル1階
電話番号: 02-2713-8000(代表)
受付時間及び交付時間:
月曜日~金曜日
午前: 9時00分 ~11時30分
午後:13時30分 ~16時00分
「帰国のための渡航書」と一緒に「出境登記表」というピンク色の用紙を渡されますので必要事項を記入します。
帰国時の空港手続きにはこの両方を提出していきます。
帰国時の注意
無事、「帰国のための渡航書」と「出境登記表」を入手しました。
これで日本に帰国する事が出来ます。
ただ、通常の出国手続きとは少し違うところがあります。
私のようにパスポートを紛失して「帰国のための渡航書」を使って出国する人は、出国審査窓口の端にある「公務、外交、船員レーン」を使います。
このレーンで取得した2枚の書類を提出して出国審査を受けます。
特に問題なく通過できますのでご安心ください。
また、日本に帰国後も通常の入国審査窓口ではなく、専用窓口を使用します。
ここも、普通に入国出来ますので大丈夫です。
後は改めてパスポートの発行と、住民票の原本を日本台湾交流協会に郵送するだけです。
最後に
どうでしたか。
パスポートを失くすという絶対あってはいけないこと、ないだろうと思っていること、そんなまさかが起きてしまうのも旅行です。
私も注意していたつもりでしたが、何度も来ているうちに知らないうちに慢心していたのかもしれません。
やはりパスポートとクレジットカード、現金といった大切なものは分散しておくとか、そういう当たり前の事を再度徹底することが必要です。
ただ、今回お話しした通り、落ち着いて行動すれば手続き自体はそれほど難しくはありませんので、不幸にもこのような事態になりましたら冷静に粛々と対応しましょう。
また私のように同時にクレジットカードも紛失した場合は各会社への連絡も忘れないようにしてください。
この時の私の場合は、同行していた娘がVISAのキャッシュの手続きをしてくれたり、日本で留守番していた奥さんの迅速な対応、また現地の皆さんの親切な協力で事なきを得ました。
なので、とにかく気持ちをいったん落ち着かせてから行動すれば大丈夫です。
それと私がラッキーだったのは、二泊三日でも土日月という並びだったことです。
これが金土日の並びでしたら、日本台湾交流協会が平日しか開いていないので帰国できなかったでしょう。
また、台湾の物価が安かったのも大変助かりました。
最終日にVISA経由で3万円のキャッシュがおりましたが、それを使うことなく娘に分け与えていた2万円で結局滞在費は賄えました。
以上、台湾松山空港でパスポート(クレジットカード)を失くしたら、どのような手続きをするかを私の体験を交えてお話しさせていただきました。
少しでも同じような立場の方のお役に立てたら幸いです。
では、海外に行かれる皆様、くれぐれもパスポートや財布の管理にご注意ください。
【追記】
2019年5月18~20日、台湾に行ってきました。
台湾松山空港にてパスポートを紛失したと思われる到着口すぐ前のベンチとお世話になった移民局を見てきました。
あいにくお世話になった職員さんはいませんでしたが、心の中で有難うござます、とつぶやいてきました。
パスポートを紛失したのは本当にショックな事でしたが、この時の事を教訓にして今回は奥さんと常に声をかけあいながら行動しました。
やはり慣れが一番怖い事です。
台湾は比較的安心な国ですが外国である事に変わりありません。
常に緊張感を持って行動する事が大事ですね。